「和牛」という言葉と「国産牛」という言葉がありますが、よく考えたら疑問を感じてしまわないでしょうか。「どちらも日本の牛ってことじゃないの?」と。
実は、「和牛」と「国産牛」では、明確に違いがあるのです。
「和牛」とは牛の品種を指す言葉で、「国産牛」とは日本国内で飼育された牛のことを指す言葉なのです。
ですので、元々からして、言葉としての粒度というかレベルが違うのです。
しかし、そのままだと消費者の困惑を誘いますし、外国産牛を日本で飼育・生産したものを「和牛」と呼ぶなどの問題も起きてしまうため、農林水産省の指導、食肉流通業界の自主規制によって、表示において以下のようなルールが用いられているのが現状です。
牛肉の表示で「和牛」という表示が認められているのは、「黒毛和種」「褐毛和種」「日本短角種」「無角和種」の4種のみとされています。
ちなみに、そのうち「黒毛和種」が和牛の9割以上を占めていて、ブランド牛として有名な「松坂牛」「神戸牛」などもこれにあたります。
一方の「国産牛」ですが、日本国内で生産された牛であれば、どのような品種でも該当します。
外国品種の牛であっても、国内で飼育したもの、生きたまま輸入してその後一定期間国内で飼育したものであれば、「国産牛」と呼べるようになっているのです。
ちなみに、一定期間とは3ヶ月間のことです。
ちなみに、現在、国内で消費されている食用牛肉の内訳は、和牛が30%、国産牛が40%、輸入が30%程度だといわれているようです。