それでは具体的に山歩き初心者の方のための服装をご紹介しましょう。
基本は服装を「アンダーウェア」「中間着」「アウターウェア」という3つの層に分けて考えます。
■アンダーウェア
いわゆる肌着です。
多くの場合、山歩きでは汗をかきますので、どのような肌着を選ぶかは重要ですし、ここは個人の好みも分かれるところです。
普通の肌着のように綿が多いものは、汗を吸い込んで肌に貼りつき、動きにくさを感じますし、乾燥する際に体温も奪われますので綿の割合が多いものはあまりオススメではありません。
最近ではスポーツメーカーであれば、どこでも吸汗性と速乾性に優れたものを出していますので、アンダーウェアに関してはお持ちでなければスポーツ店、または量販店のスポーツコーナーなどでお買い求めになってもよいでしょう。一般のお店の下着コーナーでも売っている場合があります。冬場であれば、それに加えて保温性の高いものを選ぶべきでしょう。
ウォーキングやジョギングにも使えるので、数着持っていても損はないと思います。
思わぬ事態で着替えなければいけないときのために、ザックに1枚予備を入れておいても良いかもしれません。
■中間着
中間着とは、Tシャツやシャツ、冬場であればセーターなどのことです。
中間着は1枚、ということはなく、寒い時期であれば長袖Tシャツとセーター、などと情況に合わせて複数枚重ね着しましょう。
個人の好みにもよりますが、Tシャツや長袖Tシャツはアンダーウェアと同じ理由で、綿の割合の少ないものを選んだ方が良いと思います。
寒い時期には吸汗・速乾はもちろんですが、保温性に主眼をおいた方がよいでしょう。
■アウターウェア
アウターウェアとは、レインウェアを含む上着です。つまり寒さや雨に対する服です。
山歩き初心者の方は、そもそも悪天候での登山や、最初から難易度・標高が高い登山自体をオススメしませんが、お手軽な山歩きができる山でも、山の天気は気まぐれですので突如雨が降り出すこともあります。
そういった事に備えてレインウェア(カッパですね)は用意しておいた方が良いと思います。
本格的なトレッキング用レインウェアは高機能ですが高価ですので、初心者の方はまずはポケットサイズに折りたためて上下に分かれているタイプのごく安い雨合羽でも十分です。
夏場であれば、これを持っていくだけで、雨のとき以外にも寒くなったときの防寒具としても代用できますので、上着1着分かさばらずに済みます。
もちろん寒いシーズンにはレインウェア以外の防寒具としてダウンジャケットなどを用意しましょう。
■ボトムス
トレッキングパンツを購入しても良いですが、運動するときのジャージがある方は、それで構いません。
軽いハイキング程度であればジーンズでも良いでしょう。ただし、ピチピチで動きにくいものは避けるべきです。
休憩中などにハーフパンツや短パン姿で遊びたい、という方はザックに入れていくか、ひざ下の部分がジッパーで着脱可能なタイプのトレッキングパンツもあります。
ボトムスは特に汚れる可能性が一番高いといえますので、汚れても構わない、という前提で選んでください。