高齢のドライバーが運転する車に貼るべきだとされる「もみじマーク」と俗称される高齢運転者標識。単なる努力義務から表示義務へと強化されましたが、再び努力義務へと戻されました。警察庁ではもみじマークのデザインの代替案の公募を行っています。
警察庁による「もみじマーク」の代替案の公募
道路交通法ともみじマーク 表示義務・罰則はあるの?
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もみじマーク、あるいはシルバーマーク、高齢者マークと俗称されている高齢運転者標識は1997年の道路交通法の改正法案のひとつとして導入されました。
当時は75歳以上のドライバーに対する努力義務規程(表示していなくても罰則はない)となっており、2002年には対象年齢が70歳以上に引き下げされました。
その後、努力義務から表示義務(罰則あり)への強化がなされる法案がとおり、2008年の6月1日から導入されることになっていたのですが、導入直前に各方面から表示義務化への批判が相次ぎ、2008年5月20日に警察庁交通局長は「高齢運転者標識の違反の取締りについては、1年の間指導にとどめること」という指示を出しています。しかし、実際の現場で警察官がどのように対応するのかは公表されていませんでした。
そのような中、2009年4月の道路交通法の改訂で、「普通自動車を運転することができる免許を受けた70歳以上の高齢運転者は、普通自動車の前と後ろの定められた位置に高齢者マークを付けるようにしましょう。」という、罰則のない努力義務規定に戻されました。
ちなみに、マークを付ける位置は、「車体の前面と後面の両方に、地上0.4メートル以上1.2メートル以下の見やすい位置」とされています。
また、高齢者運転マークを購入する場合は、カー用品店やホームセンター、あるいは近年ではネットショップでも販売されています。
もみじマークの代替デザインの公募
このように混沌としていたもみじマークですが、デザイン的にも批判が相次いでいました。
「高齢者に枯葉とは・・・」「黒い縁取りで気分が落ち込む・・・」などというものから、ベテランのタクシー運転手などは「このマークを貼るとお客さんに不安を与えそうだ」といった意見や、「このマークを貼るくらいなら廃業する」といった声まで上がりました。
それらの声を受けてか、警察庁では2009年の9月に高齢運転者標識デザインの代替案の再公募を始めました。
募集期間は当記事の執筆現在で平成21年11月20日(金)から平成22年1月8日(金)まで、となっています。
応募されたデザイン案の中から、委員会において「もみじマークの代替案」(複数可)を選定した上で、もみじマークを含む「もみじマークの代替案」のうち、いずれが高齢運転者標識として適当かについての選考が有識者により行われます。
選考の基本的な考え方は以下の4点です。
・ベテランドライバーを象徴し、高齢者が誇りを持って自らの意思で自動車に表示したくなるもの。
・高齢者を含むすべてのドライバーにとって親しみを感じるもの。
・夜間や離れた場所からでも見やすいもの。
・既存の様々なマークと混同を生じないもの。
もし採用されたデザインが、新たな高齢運転者標識のデザインに決まった場合に限り、そのデザインの作成者に作成費(30万円(税込み)以内)が支払われる、ということです。採用された賞金として必ずもらえるものではないようですのでご注意ください。
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