しかし、これらのブリックス諸国も、確かに経済は大きな発展を見せていますが、それぞれに様々な問題を抱えているのもまた事実です。
近隣諸国との武力衝突が絶えないロシア。
広い国土に対して、まだまだインフラの整備が整っていないインドでは、天災の際、被害が大きくなるという問題を抱えています。
中国に関していえば、連日、日本国内でも様々な報道がなされており、経済が先行して大きく発展していますが、政治を中心に、様々な観点から、まだまだ近代化が遅れている感は否めないといえるでしょう。
また、これらの多くの国で、急激に経済が発展し、いわばバブルに近い状態になったことから、貧富の格差も拡大し、これもまた大きな問題となっています。
ブリックス諸国が、真の先進国の仲間入りを果たすには、これらの問題を解決する必要があると考えられます。
2008年の、サブプライムローン問題を主な原因として発生した、アメリカの金融危機に端を発する、「100年に一度」ともいわれる世界同時不況という時代を迎えてしまった昨今、世界経済の勢力図は、劇的に変化しようとしています。
経済ジャーナリストの間では、これからの10年で、世界の経済の中心地は、アメリカでもEU(ヨーロッパ)でもなく、アジアになると声高に叫ばれています。
アジアには、ブリックス諸国の中の、インド、中国、(あるいはインドネシア)があり、また、ユーラシア大陸の東西にまたがる大国、ロシアも無関係とは考えられないわけで、人口、資源などから考えても、アジアが爆発的に発展する可能性は、無きにしも非ずと思われます。
このような状況の中、日本が、アジアでのどのようなポジション、地位を確立するかは、今後の非常に大きな課題であり、国としても、また経済界としても、これまでのアメリカに依存した体制から脱却できるか、将来に向けた正しい舵取りが求められており、各方面からの高い注目を集めています。